ブラック、ゆるブラック??

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どんな会社で仕事をしたいですか?

1990年代後半から「ブラック企業」という言葉が当時の若者を中心に使われるようになりました。今ではブラック企業というと、従業員の人権を蔑ろにして過酷な労働を強要させる、達成不可能な目標を与え、できなければすべて従業員が悪い!と非難する、サービス残業当たり前、従業員を消耗品のように扱う、挙げていくときりがありませんが、どれもネガティブな印象のものばかりです。そんな職場環境で働く人々が自分の仕事に誇りを持ち、成長を実感できるはずがありません。

一方、「ブラック企業」からずいぶんと時間が経過した2010年代半ばくらいに、今度は「ゆるブラック」なるワードが出てくるようになりました。初めて「ゆるブラック」なるものを聞いたとき、ブラック企業ほどではないが、ブラック企業寄りの企業を指すのだと思っていました。ですが、「ゆるブラック」なる意味は、私の予想とは全く正反対のものでした。残業はない、上司に怒られることもない、休みも多い、一見「ブラック企業」の対極として用いられる「ホワイト企業」なのでは?と思ってしまいそうです。しかしながら、「ゆるブラック」とは、そこで働いてもやりがいを感じられない、自分自身の成長を実感できない、プロフェッショナルとしてのスキルが習得できない、こういった企業のことを指すものをゆるブラックと称するようなのです。

ここで、「人はなぜ働く?」のテーマとリンクする部分があると思うのです。3つのワークとしてライスワーク、ライクワーク、ライフワークを先にご紹介しましたが、人は働くことによって対価として報酬を得ることを目的としている側面は当然にあるものの、どうせ働くなら、やりがいも欲しいし、自分の成長も実感したい、会社や社会に認められたい、といった欲求を持っているものだと思うのです。なかなか、自分のやりたい仕事に就くということは簡単なようで難しいものです。ただ、始めた当初はいまいちだった仕事が、時間の経過とともに徐々に馴染んで、やりがいを感じられるようになったり、自分の成長を実感できるようになったり、他人から認められることで働きがいを得られるようになることをご経験された方もいらっしゃるのではないでしょうか。

人生100年時代とも言われる今の時代、与えられた人生の中で、どれだけの時間を仕事に費やすかは、それぞれ個人差もあるでしょう。

いい仕事ができたときのよろこびを味わうことができる職場を少しでも増やしたい!簡単なことではありませんが、そこを追い求めて活動していこうと真剣に思います。

この記事を書いた人

田中 慎也
田中 慎也
社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(日本FP 協会認定)
企業とそこで働く従業員双方の立場から、より良い職場環境を構築するための最適解を導き出し、良き伴走者となって積極的に支援します!
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